近世数寄屋建築を今に残す上層農家
近藤家は江戸時代に庄屋を務めた上層農家の居宅です。かつては長屋門を設け、主屋や離れ座敷、土蔵などを配していました。現在はそのうちの主屋と離れ座敷が残り、近世上層農家の様相を今に伝えます。
主屋は桁行7間・梁行3間半の上屋を持つ建物です。平面は整形四間取りで、当初は奥列の座敷境を土壁で閉じた構えでしたが、南北に縁を廻すなど開放的な要素もありました。宝暦12年(1762) の当家の普請願書の図面と一致することや、文化年間(1804〜1818)に玄関を式台に変更したという伝承があることなどから、建築年代は18世紀後期にさかのぼるとみられます。
離れ座敷は文化年間に領主を迎えるために鳥羽から移築したものと伝えられます。最初は主屋の南西にありましたが、大正5年(1916) に現在地に移されました。内部は南から主室・次の間・付属室からなり、南から東にかけて縁が廻ります。主室には床と床脇、付書院を設け、室境には竹の節欄間を入れています。主室と次の間には杉面皮の柱と長押を用いるなど、数寄屋風の意匠がみられます。
登録内容
- 登録対象
- 主屋・離れ座敷
- 年代
- 江戸後期
- 構造及び形式
- 主屋、離れ座敷:木造平屋建、瓦葺
- 建築面積
- 主屋:144㎡ 離れ座敷:65㎡
- 登録の基準
- 主屋・離れ座敷:2
その他データ
- 所在地
- 京都府城陽市寺田乾出北11-1
- 連絡先
- 城陽市観光協会
- 電話番号
- 0774-56-4029
- WEBサイト
- http://www.joyo-kankou.jp