旧宮津城下を代表する町家建築
今林家住宅は、明治時期に建てられた切妻造、平入りの規模の大きい町家で、敷地内には、米蔵、糸蔵、道具蔵、味噌蔵、旧店舗、旧生糸蔵が建っており、明治期の商家の生活を偲ぶことができます。
今林家は江戸時代、宮津藩の町名主・御用商人として名字帯刀を許され、糸問屋を主に、北前船、倉庫業、さらに酒造、醤油製造を営む、地域の産業を支える商家でした。また、その後の当主には府会議員や銀行の頭取など、多数の名士を輩出しています。建築には当時宮津を中心とした丹後で活動した大工が携わり、屋形式の主屋、敷地内の蔵に見られる隅扇垂木からは地域の特徴が見て取れます。
主屋内部、3室の座敷にはそれぞれ長押が打ち廻されており、座敷飾りは奥に向かうほど格式の高い構えとなっており、座敷の意匠からも、今林家の商家としての規模が窺い知れます。
登録内容
- 登録対象
- 主屋・米蔵・糸蔵・道具蔵・味噌蔵・旧店舗・旧生糸蔵
- 年代
- 主屋:明治25年(1892)/大正期増築 米蔵、糸蔵、道具蔵、味噌蔵:明治期 旧店舗:江戸末期/昭和27年(1952)頃/平成20年(2008)改修 旧生糸蔵:安政5年(1858)/平成20年(2008)改修
- 構造及び形式
- 主屋、旧店舗:木造2階建、瓦葺 米蔵、糸蔵、道具蔵、味噌蔵、旧生糸蔵:土蔵造2階建、瓦葺
- 建築面積
- 主屋:261㎡ 旧店舗:80㎡ 米蔵:25㎡ 糸蔵:44㎡ 道具蔵:39㎡ 味噌蔵:17㎡ 旧生糸蔵:22㎡
- 登録の基準
- 主屋・旧店舗・旧生糸蔵:1 米蔵・道具蔵・味噌蔵:3 糸蔵:2
その他データ
- 所在地
- 京都府宮津市万町604-1
- 連絡先
- 旧店舗、旧生糸蔵のみ公開
- 電話番号
- 0772-22-3319