聖ヨゼフ修道院

中世ヨーロッパの雰囲気漂う修道院

住友吉左衛門春翠の別邸に建っていた門衛所と門をそのまま利用したものが現建物です。煉瓦造の門と木部にハツリ目があるハーフ・ティンバーの外観が特徴的で、中世ヨーロッパの雰囲気を漂わせています。

大正9年、春翠の長男・寛一のために広大なこの地に純洋風の建物と庭園がつくられました。しかしほとんど使用されることはなく、1970年代はじめに聖ヨゼフ修道院の建物が建つまでは荒れ果てた状態でした。それ以降、この地の様相は一変しましたが、チェーダー・ゴシック様式の純洋風と言われた当時の雰囲気は十分に味わうことができます。

門衛所と一体に作られた煉瓦造の門は、意匠の門構えではありますが、ハツリ面を見せたレンガをところどころ挟んでおり、細部の意匠までこだわって建てられたことがわかります。極めて小規模な遺構ですが、門の家と一連で残り、貴重な建物です。