「徳は孤ならず必ず鄰あり」中国善隣と友好の館
京都東山の疎水に面した当地に大正15年(1926)近江商人の藤井善助翁により創立されました。犬養毅の薫陶を受け、中国文化の造詣を深め、中国美術の収集を始め、美術館を創立し、その後一般公開を続けています。
第二館は大正前期頃に建てられた2階建洋館で、移築前後で玄関の位置が変更されましたが、それ以外はほぼ旧態が保たれています。建物内部はセセッション風の意匠を基調にアールヌーヴォー・アールデコ風の意匠が用いられ、壁クロスの昆虫や格天井の花には日本趣味が、照明器具には東洋趣味が加味されます。この多彩な意匠と質の高い造作に文化的価値が認められます。
収蔵庫外壁には第二館と同じ仕様のタイルが用いられます。内部は1階の一部天井と2階の天井が棹縁天井となっていて、2階には床の間と棚が配されます。柱などの部材は、倉庫にはそぐわない良材が用いられ、部材には種々の痕跡がみられることから転用材だとみなせます。これら造作や部材の状況から収蔵庫も移築建築と考えられますが、建物用途や内部は移築前とはかなり異なると想像されます。
登録内容
- 登録対象
- 第二館・収蔵庫
- 年代
- 第二館:大正初期/昭和3年(1928)移築 収蔵庫:昭和3年(1928)
- 構造及び形式
- 第二館:木造2階建、スレート葺 収蔵庫:木造二階建、瓦葺
- 建築面積
- 第二館:250㎡ 収蔵庫:58㎡
- 登録の基準
- 第二館・収蔵庫:2
その他データ
- 所在地
- 京都市左京区岡崎円勝寺町44,45
- 電話番号
- 075-761-0638
- WEBサイト
- http://www.yurinkan-museum.jp