SACRA(旧不動貯金銀行京都支店)

三条通りを彩る歴史的建造物

三条通りに不動貯金銀行京都支店として建てられた銀行建築です。全体に装飾豊かな洋風意匠をを持ち、大正初期の商業ビルの意匠的特徴をよく示す貴重な建物です。

木骨煉瓦造、地上3階地下1階建の旧銀行建築です。この意匠は、骨格では歴史様式的ですが、軒周りや2階エプロン部など細部では幾何学形態化が進んでいて、この点に大正初期の建築意匠の特徴が現れています。この意匠は大正半ばには忘れられてしまうことに加え、東京・横浜の作例が戦災で失われているため、この建物は日本のモダンムーブメントの遺構として重要な存在です。

北面外観は隣接建物によって完全に隠れており、西面外観は3階部分のみ望むことができるものの、隣接の建物が高層化されるに伴い隠れてしまうことも考えられ、通常望見できる外観は、南正面と東側面の2方向に限定されます。近年持ち主が若者向けテナントピルにリニューアルし人気を集めています。