花洛名勝図絵に描かれる天保の書院
南禅寺のほとりに建つ江戸時代末期の書院で、数寄屋の意匠が随所に見られます。書院玄関ヘのアプローチの途中右手に見える「名教楽地」と刻まれた石門は書院をより風格付けます。この石門を進んだ先には南庭が広がります。
書院の主座敷は規模3間半✕2間半でツラ付丸太柱に丸太長押を打っています。主座敷西側に床・違棚を設け、南側を上段として、その南側の壁面には火灯窓・平書院を設け、天井は上段の部分のみ縁を回し鏡天井にしています。順正書院はこのような様々な要素を全体的に平穏な意匠でまとめ上げ ており、 好ましい数寄屋の造形といぇます。
天保10年(1839)蘭学医・新宮涼庭による建設以降所有者は転々としていましたが戦後現所有者に渡り、その後現在に至るまでゆどうふ料理店と して活用されています。その間、庭が拡げられ新しい建物が増築されるなど、花洛名勝図会に描かれた往時の面影は薄らぎましたが、今でも庭や建物から天保時代の姿がしのばれます。
登録内容
- 登録対象
- 書院・石門
- 年代
- 天保10年(1839)
- 構造及び形式
- 書院:木造平屋建、瓦葺 石門:石造冠木門
- 建築面積
- 書院:279㎡
- 登録の基準
- 書院・石門:3
その他データ
- 所在地
- 京都市左京区南禅寺草川町60
- 営業・開館・拝観時間
- 11:00〜21:00
- 定休日
- 不定休
- 電話番号
- 075-761-2311
- FAX
- 075-751-8812
- WEBサイト
- http://www.to-fu.co.jp