京都府下最古級 市井のモダンな洋風商業建築
家邊徳時計店は、明治4年(1871)創業で京都の舶来品を扱う先進的な商家でした。当初は和風の構えでしたが、明治23年(1890)に店舗部分を洋風の煉瓦造に建て替えられたものが現在みられる建物になります
三条通に面する外観に設けられた三連アーチが特徴的な建物です。伝統的な町家であれば店舗棟に土蔵を接続するところですが、当建物では店舗棟の中に内蔵されたかたちで鉄扉付きの2階建倉庫(金庫)が設けられています。なお、2階には事務室や社長室として使用されていた、洋風意匠でまとめられた個室が残っています。
洋風でまとめられた店舗棟の裏手には、和風の意匠を採る総2階建の主屋が接続しています。主屋は中庭と平屋の玄関を介して店と繋がり、平面構成は一般的な京都の表屋造の商家と共通しています。洋風のデザインに未完成な部分が見られるものの、伝統的商家の建物に外来の意匠を採用した初期の例として、家邊徳時計店は貴重な文化財といえます。
登録内容
- 登録対象
- 店舗・主屋
- 年代
- 店舗:明治23年(1890) 主屋:明治23年頃
- 構造及び形式
- 店舗:煉瓦造2階建て、瓦葺 主屋:木造2階建、瓦葺
- 建築面積
- 店舗:107㎡ 主屋:129㎡
- 登録の基準
- 店舗:1 主屋:2
その他データ
- 所在地
- 京都市中京区三条通富小路東入中之町
- 連絡先
- mailto:zvg10373@nifty.com
- 電話番号
- 075-221-0450
- FAX
- 075-221-0451