陶工・河井寛次郎の居宅兼工房
陶芸家・河井寛次郎の居宅兼工房で、敷地内に主屋・陶房・登り窯などが建ちます。建物の設計から調度品に至るまで氏が手がけており、氏独自の美意識による統一感のある空間が広がります。
外観は寄棟造・出桁造で、中山道沿いの町家の意匠に酷似する他、千本格子など京都の町家の意匠も見られます。内部は通り土間沿いに室を並べる構成ですが、広間を大きな板間空間とし全体的に線の太い材を基調とするなど飛騨地方の町家を連想させます。また板間は朝鮮風床板貼で、多様な意匠が独自の美意識と住宅思想に基づいて再構築されています。
河井寛次郎の設計、その実兄の施工で、現在は河井寛次郎記念館として利用されています。作品の展示は、展示ケースなどを極力設けず館内にそのまま並べることで、河井寛次郎の意図した空間の統一感を損ねることのないように配慮されています。敷地内に居住棟・窯業関連施設が往時の形態を保ったまま一括して現存しており、貴重な遺構であるといえます。
登録内容
- 登録対象
- 主屋・陶房・小間・登窯・素焼窯
- 年代
- 大正2年(1913)(和館、洋館、画室全て)
- 構造及び形式
- 主屋、陶房、小間:木造2階建て、瓦葺 登窯、素焼窯:煉瓦造
- 建築面積
- 主屋:148㎡ 陶房:54㎡ 画室:187㎡
- 登録の基準
- 主屋・陶房・小間:2 登窯・素焼窯:3
その他データ
- 所在地
- 京都市東山区馬場通大和大路東入鐘鋳町569他
- 営業・開館・拝観時間
- 10:00〜17:00(受付16:30まで)
- 定休日
- 月曜日(祝日の場合は翌日に振替) 夏期・冬期長期休館あり(要問合)
- 電話番号
- 075-561-3583
- WEBサイト
- http://www.kanjiro.jp