京都府国登録文化財所有者の会は、京都府内に国登録文化財建造物を所有する個人及び法人等を正会員とし、文化財についての知識を持った方々の協力を得て、平成19年4月に設立されました。
当会では、国登録文化財の保存と活用に係る活動を行っており、文化財に関わる講演会、フォーラム、シンポジウムを適宜開催して、登録文化財への関心を高め、知識の普及に務めるとともに、会員相互の親睦と国登録文化財に関する情報交換を図り、国登録文化財件数の増加と府民の交流に努めています。
団体概要
- 名称
- 京都府国登録文化財所有者の会(略称・京都登文会)
- 設立
- 平成19年(2007)4月
- 事務局所在地
- 〒606-8406 京都市左京区浄土寺石橋町37(白沙村荘内)
- 事務局連絡先
- TEL.075-751-0446
FAX.075-751-0448
窓口受付時間 9:00〜18:00
所有者に配られる登録プレート
国登録文化財とは
国登録文化財は、 正式には登録有形文化財といい、 平成8年に文化財保護法が改正され、新たに定められた文化財です。当初は建造物のみを対象とした制度でしたが、現在は美術工芸品や史跡名勝等の記念物、有形民俗文化財にも同様の制度が導入されています。
国宝、 重要文化財等と呼ばれる以前までの指定文化財制度との大きな違いは、 行政側から文化財として建造物を指定するのではなく、条件を満たす建造物に対して所有者側から申請をして国が登録を行うところにあります。
従来の文化財指定は、主に近世以前の建造物を中心に建築年代の古いものから順次進められていましたが、多種多様かつ多量に残る近代の建造物は、 社会的評価を受ける間もなく、 近年の土地開発等により取り壊し等の危機を迎えていました。
これを受け、一定の価値のある建造物を広く保護し、近代の建築物の有効かつ適切な保護と活用を目的として、登録制度は整備されました。緩やかな規制と保護措置を講じ、所有者の意思を尊重しつつ、保護の網をかける仕組みとなっています。現在では多く残存するものであっても典型的なもの、先駆的なもの、完成度の高いものは評価され、国宝、重要文化財等の指定文化財に指定されています。京都府下の登録文化財では、旧西陣電話局(京都市上京区)と舞鶴市政博物館(舞鶴市)が重要文化財の指定を受けています。
登録有形文化財制度の仕組み
(1) 登録の基準
原則として建築後50年を経過したもののうち、右の条件に合致するもの。
- 国土の歴史的景観に寄与しているもの
- 造形の模範となっているもの
- 再現することが容易でないもの
(2) 文化庁からの指導等
- 管理・修理に関する技術的指導
- 届出のあった現状変更に対する指導助言又は勧告
- 公開及び公開に係る管理に対する指導又は助言
(3) 登録有形文化財建造物の優遇処置
- 保存、 活用に必要な修理等の設計監理費、 1/2を補助
- 相続財産評価額3/10を控除
- 家屋の固定資産税を1/2に減税
- 敷地の地価税を1/2に減税
(4) 届出
【滅失】
水害による流失や火災による焼失などにより、登録有形文化財建造物が失われた場合は、事実を知った日から50日以内に届出を提出すること。
【き損】
登録有形文化財建造物が破損、損傷した場合は、事実を知った日から10日以内に届出を提出すること。なお、破損等の範囲が甚大なもの以外は、届出の必要はぁりません。
【現状変更】
登録有形文化財の移築や通常望見できる1/4以上の範囲で形(形状、材質、色合い等)を変えようとす る場合は、変更しようとする30日前までに届出を提出すること。
【所有者の変更】
旧所有者は登録証を新しい所有者に引き渡し、新しい所有者は20日以内に提出すること。